KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

マケラ/パリ管

クラウス・マケラ率いるパリ管が来日した。前評判が高い中、サントリーホールへと足を運んだ。

演奏が始まってみると、これはすごい逸材だと分かった。マケラが打てば凄まじいフォルティシモが鳴り響く。しかしまったくうるさく響かない。パリ管からはきちんと統率の取れた音しかしないのである。パリ管も各奏者が楽しそうに演奏している。

ラヴェルのピアノ協奏曲になると、手加減無しに演奏するアリス=沙良・オットに合わせて、マケラもパリ管から切れ味の良い音を引き出す。これはとんでもないことであるという確信はあった。

ここまで書いたが、しかしながら問題はあった。私の心が乗らないのである。素晴らしい演奏であるはずなのに何故であろう。考えられるのは、緩徐楽章の叙情性に欠けるきらいがあるのと、音色が平板で一本調子というのが欠点としてあるからである。やはり私には音色や音質が平板というのが合わないようである。

私が挙げた欠点というのは、私以外の方には何ら不合理には感じないだろうし、欠点もマケラが経験を積めば解消されるだろう。一番の問題は、マケラを理解する素養が私には無いということである。