KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ルイージ/N響

N響ルイージの緊密な連携による、素晴らしいレーガーであった。

ファビオ・ルイージN響を指揮した。久しぶりに聴きにサントリーへ。

前半のハイドンから濃密な音を奏でるN響ルイージとの共演を重ねていることにより、次第にルイージの要求がオケの隅々まで通ってきている。

そんな中でも客席の反応は薄かったが、オットのソロでリストが始まると、叩き起こされたように客席が色めき立った。ピアノが鮮やかに自在に鳴る。ルイージの指揮もピアノにピッタリつける。その場にいる全員が納得する会心の出来であった。アンコールは音が少ない作品ということで、アルヴォ・ペルトの曲を取り上げていた。残念なのは、客席の集中が続かないところか。

後半はマックス・レーガー。モーツァルトの主題による変奏が濃密に奏でられていく。最初から最後まで一本線で繋がる、劇的な展開を見せた。それでいて、細部までルイージのこだわりが感じられる、細密な演奏でもあった。N響がレーガーをここまで効果的に演奏できるとは知らなかった。演奏会に通うと良いこともあるものだ。

実に愉快な演奏会であった。一点気になったのは、こんな見事なレーガーであったのに、客席の反応が薄かったことである。拍手も雑だし、カーテンコール中に離席する人がいつものB定期よりはるかに多い。その意味で、残念な演奏会でもあった。

ブロムシュテットinザルツブルク

ブロムシュテットは来年のザルツブルク音楽祭に出演。7/28と30に、ウィーンフィルブラームス《運命の歌》、メンデルスゾーン交響曲第2番を演奏する。

《讃歌》は昨年の5月にウィーンフィルと演奏している。ラジオで聴いたが素晴らしい演奏であった。再びということになる。ブロムシュテットお気に入りの歌手陣と共演予定になっており、豪華な内容。

ウィーンフィルとは来年5月にベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》を予定している。合唱付きの大曲が続くため少々心配だが、大丈夫だと期待している。

https://www.salzburgerfestspiele.at/p/wiener-philharmoniker-blomstedt-2024

ブロムシュテットがエルプフィルとの共演をキャンセル

ブロムシュテットがエルプフィルとの来週の共演をキャンセルした。体調不良とのこと。

キャンセルが続くのは心配。ブロムシュテットの無事を願う。

https://www.ndr.de/orchester_chor/elbphilharmonieorchester/konzerte/NDR-Elbphilharmonie-Orchester-mit-Blomstedt-und-Piemontesi,blomstedt300.html

クリスマス会

先日、通っているヴァイオリン教室のクリスマス会があった。今回はバルトークルーマニア舞曲集》から一部を抜粋して演奏した。

今回は軽く弾ける作品にして、来年夏の発表会でブラームスヴァイオリンソナタ第3番を演奏する方針を先生が示したため、このようになった。

弾き慣れないトランシルヴァニアの舞曲リズムに苦労したが、何回か練習するとリズミカルに弾けるようになる。

学校で発表等忙しかったためあまり練習できず、本番はそんなに上手く行かなかった。病気が少々悪化しているので仕方ない。

来年の発表会では、ブラームスを情感豊かに弾けるようにしたい。第1楽章だけだが、楽しみである。

河合秀和 『チャーチル――イギリス現代史を転換させた一人の政治家』

河合秀和 1979 『チャーチル――イギリス現代史を転換させた一人の政治家』 東京:中公新書

こちらの本、ずいぶん前に読了していたが、思い立ってブログ記事にしてみた。

ウィンストン・チャーチルについて書かれた評伝では、かなりニュートラルなもので、事実関係を列挙していくことに重点が置かれている。そのため出版からある程度時間が経っているが、今日でも十分参照価値のあるものとなっている。

チャーチルは首相就任後のことがよく注目されているが、チャーチルという人物を評価するうえで重要なのは、自由党から保守党に帰ってきた頃だろう。

チャーチルの研究はまだまだ政治学の側でやるべきことが多いだろう。歴史学の側に「イギリス現代史」を引き受ける準備が出来ているかが問われる。

K.ペトレンコ/ベルリンフィル

よく考えられた、精緻な演奏会といった印象を抱いた。

K.ペトレンコがベルリンフィルと来日。サントリーにて5公演を敢行するとのことで、本日足を運んだ。

引っかかることなく流れていくモーツァルトから、すっきりとしたベルクまで、ベルリンフィルの多彩な対応力を聴いた。ベルクを演奏する要領でモーツァルトを組み上げたと考えると、モーツァルトであまり色を出さなかったのも合点がいく。

同じスタイルでブラームスも演奏した。溜めたりテンポを揺らしたりせず、ミニマルミュージックのように一つひとつの動機を鳴らしてゆく。それにより合奏全体に一貫性を持たせていた。このやり方だと第4楽章のパッサカリアで、各楽器がバラバラにならない。この演奏スタイルで、構造的に説得力のある演奏をすることができている。それによりブラームスの後期様式が、新ヴィーン楽派へと繋がっていくことを克明に描き出している。

会場は大盛り上がりであった。個人的に音楽的な面白みには欠けるが、よく練られた見事な演奏であった。

ブロムシュテットとピレシュがバンベルクとの共演をキャンセル

ブロムシュテットとピレシュがバンベルク響との共演をキャンセルした。両者とも健康上の理由のようだが、高齢なだけあり心配である。

ブロムシュテットは先月のN響に引き続きキャンセルとなった。桂冠名誉指揮者を務めるN響と、名誉指揮者を務めるバンベルク響をキャンセルするのはかなり衝撃である。

ブロムシュテットとピレシュの健康を願う。

https://www.bamberger-symphoniker.de/en/programme-tickets/concert-overview/sold-out-giuseppe-mengoli-conducts-beethoven-and-mozart-25-11-2023.html