KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ホーネック/菊池

世紀の狭間で生きた作曲家たちの佳作を、上品な演奏で聴いた。

ライナー・ホーネックと菊池洋子による演奏会。東京文化会館小ホールにて開催。私の東京春音楽祭は、このコンサートにて開幕を迎えた。

前半はモーツァルトシューベルト。両名とも、まろやかで暖かみを感じる音で一貫していた。その中で、18世紀から19世紀に移り変わる時期に、ウィーンで活躍した作曲家の音楽語法が展開された。

後半はコルンゴルトブラームス。こちらも同じ音質で演奏された。コルンゴルトによる重工業の匂いがする音楽と、ブラームスの艶やかな音楽が奏でられる。19世紀から20世紀の転換点で、ウィーンを生きた作曲家の足跡を辿ることになった。

拍手に応えて、アンコールという名の第3部が始まった。クライスラーの作編曲が次々と繰り出されてゆく。ある意味コルンゴルトブラームスの橋渡しと言えるだろうか。途中でシューベルトを挟んだりと、洒落た趣向に会場は大盛り上がりであった。

本日一番の出来はコルンゴルトだろう。こんなにコルンゴルトが楽しいとは思わなかった。そのような発見があるコンサートであった。

東京春音楽祭は始まったばかりだが、毎年新たな発見があり、面白い。今年はどんな展開があるだろうか。期待している。