KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

METオーケストラ

オロペサの歌は正確無比で、なおかつ豊かであった。

METオーケストラがネゼセガンと来日。豪華な演目に期待してサントリーへ。

前半、最初はモンゴメリー作曲《すべての人のための讃歌》が演奏された。静かに始まり、大音響へと向かうのは最近の流行りなのか。METオーケストラの動的な弦楽が、この曲に生命力を吹き込む。

オロペサが登場し、モーツァルトを2曲。これが最高だった。オロペサは完璧な音程、リズムで歌い、アーティキュレーションも適切であった。更に暖かみもあり、聴いていて心地よい。モーツァルト演奏の理想形がそこにあった。ネゼセガンとオーケストラも歌に適切に合わせ、座付きオケの実力を見せつけた。

後半のマーラーだが、前半から打って変わってミスが多い。慣れない曲だからか、音程を外すだけでなく、音を間違えたりもしていた。これによりだいぶ興を削がれてしまった。弦が歌うように鳴り出し、劇的な展開を見せたのは聴きどころであった。それにより、第4楽章が見事に美しく鳴り輝く。マーラーの歌謡的な側面を際立たせる演奏になっていた。良くも悪くも劇場のオーケストラだと痛感した。

好悪両面がある不思議な演奏会だった。次は舞台を観てみたい。やはりMETオーケストラは、そういう華やかな場面にふさわしいのだろう。