KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

鈴木秀美/山形交響楽団、石上真由子

山形交響楽団の溶け合った響きを満喫した。

サマーミューザにて、山形交響楽団がミューザへ来演。興味深く足を運んだ。

前半は石上真由子をソリストに迎えてベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》。ソリストもオーケストラもビブラートを抑えた芯の通った音で演奏した。派手に鳴りすぎない、抑制的な演奏で、溶け合った響きを浴びた。石上のソロは明快で、小細工無しの直球勝負であった。

後半はシューベルト交響曲第8番D944。プレトークでの鈴木秀美の予告通り、全て繰り返しを実行。ナチュラルホルン、ナチュラルトランペット、ナチュラトロンボーンの柔らかな響きが木管と混ざり合い、暖かな雰囲気の音を出していた。しかし鈴木は弦には覇気良く演奏するよう指示を出していた。アクセントはアクセント、fzはfzと、アーティキュレーションを正確に徹底する。それを全て実行すると、熱量高く、溶け合った響きの演奏となった。やはり鈴木は只者ではない。これはまさにHIPの見本市であった。正確に歴史的情報を実行するとこうなるという成果を見た。鈴木秀美と山響の実力を存分に味わう午後となった。

山響は聴いていて楽しいオーケストラである。またミューザに来て欲しいと願う日になった。