山田和樹が繰り出す、演奏効果抜群の時間だった。
山田とモンテカルロフィルが来日。藤田真央をソリストに迎えて、巡業していた。本日、みなとみらいホールが最終日。
山田も藤田も、時に大見得を切りながら、劇的に演奏する。それは両者に共通していて、ある意味相性が良いと言える。それでもところどころで見せる、計算されたピアニシモの音量調整が面白い。16型のオーケストラも山田に対して非常に協力的で、良好な関係を築いてきたことがわかる。木管のくぐもった、独特な音色も魅力であった。《オルガン付き》では当然、みなとみらいホールのオルガンも使われたわけだが、オーケストラと協調して、ホール一杯に鳴らしていた。
なかなか見事な演奏会であった。モンテカルロは初めて聴いたオーケストラだが、また聴く機会があれば喜ばしい。