KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ブロムシュテット/BPh

ブロムシュテット、その高潔な音楽は健在である。DCHにてブロムシュテット指揮ベルリンフィルを視聴。3年連続で9月の終わり頃にセッティングされた共演。R.シュトラウスメタモルフォーゼン》とベートーヴェン交響曲第3番。よく練られたプログラムである。

シュトラウスの冒頭から、ブロムシュテットはまだまだいけると感じた。引き締まった、艶やかなアンサンブルがそこにある。深刻になり過ぎず、安定して紡いだ。

後半のベートーヴェン、多少の粗はあるが、ベルリンフィルは一音一音、アーティキュレーションを丁寧につける。テンポはいつもより多少遅い。しかしそれによりベルリンフィルは余裕を持ち、細かい彫刻が可能になっている。これだけ速いパッセージがありながら、天下のベルリンフィルはきちんと演奏できている。流石としか言いようがない。

ブロムシュテットコンマスに支えられながらだが、答礼と出入りは出来ている。指揮台にも自力で登る。当然座って指揮しており、振りも小さくなった。それによりわずかに統率力が落ち、オーケストラも前よりミスをするようになった。しかし音楽の流れは自然で、ブロムシュテットの引き締まった音楽は変わらない。これだけのことが出来るのだから、当面大丈夫であろう。

来日を楽しみにしている。