NDR北ドイツ放送フィルハーモニー交響楽団の来日公演。これはNDRエルプフィルとは別団体のハノーファーにあるオーケストラ。マンゼとのコンビの噂を聞きつけて芸劇へ。オピッツをソリストに迎えたオールベートーヴェンプログラムとなった。
最初はプロメテウスの創造物序曲。あまり期待していなかったのだが、のっけから明るい立ち上がりのよい音に驚いた。アンサンブルも引き締まっており、このコンビが良い状態にあることがわかる。
オピッツのソロでピアノ協奏曲第4番。オピッツは昨年の紀尾井での演奏よりリラックスしており、端正なソロを披露した。マンゼ率いるオーケストラもピアノと対等に渡り合った。
後半は交響曲第3番。残念ながらここでオーケストラの地金が出た。快速演奏だが、第1楽章にて音程が甘くなることで和音が濁ったり、アウフタクトがバラけたりとイマイチな点が散見された。このオーケストラがまだ発展途上であることを窺わせる。しかし輝かしい響きでまとめ上げたのは流石。オーケストラはHIPのスタイルを適切に身につけている
楽しいアンコールにて幕。面白い色を持ったオーケストラであった。