KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ティーレマン/SKB

ティーレマン/SKBの来日公演に行った。知り合いから頂いたチケットで観賞。オーケストラのくすんだ響きが印象的であった。

ブラームス交響曲第3番、第4番というプログラム。かなり速い出だしの第3番であったが、それにより推進力を確保して進んでいった。疾走する展開部は圧巻で、第2楽章の静謐さとくぐもった響きは東ドイツ時代のオーケストラサウンドであった。今なおこの音が出せるのはここだけだろう。しかしティーレマンがかなりアゴーギクを効かせ、強弱の幅をオーケストラの許容範囲より広く取るため、アンサンブルがバラける箇所が散見された。

後半の第4番、仄暗いオーケストラのサウンドを巧みに操りながら、暗い影を引きずる演奏を実現した。これは古き良き東ドイツ時代の音であることは間違いない。第2楽章のフリギア旋法がここまで大きく組み上がっている演奏にはなかなか出会えない。第4楽章展開部からの大胆な音楽の作り方は流石のティーレマンであった。コーダはテンポをかなり遅くして終わらせた。

全体として第4番の方が良かった。昔ながらの演奏が聴ける、貴重な機会であったようだ。最後は客電が点いても延々と拍手が続く、珍しいカーテンコールになった。