KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ネルソンス/ボストン響

ボストン響の来日公演、サントリーホールにてベートーヴェンショスタコーヴィチのプログラム。

前半の皇帝、内田のソロは音の立ち上がりが際立っており、底抜けに上手い。安定感あるソロを披露した。ネルソンス率いるオーケストラは、ヴァイオリンの雄弁な演奏が前に出て聞こえてくる。

後半のショスタコーヴィチ、引き締まった、艶やかな音で紡がれる音響世界に引き込まれる。第3楽章の止まりそうなほどのゆるやかな音楽を実現するネルソンスの集中力は大したものである。第4楽章は速めに始めてすぐにトップスピードに入ってしまう解釈。フォルティシモになると音がサントリーホールに飽和するくらいの大きな音が出ていたのは流石のボストン響であった。

ボストン響はやはりアメリカのオーケストラだけあり、金管の音が強烈である。一方合理的に3群に分けられたヴァイオリンによるショスタコーヴィチ5番の第3楽章における静謐さも実現するのだから、ボストン響とネルソンスには脱帽である。このような演奏会には文句の付けようがない。