ブロムシュテットの指揮する今月3つ目のプログラム。北欧プログラムで、ブロムシュテットの得意とする内容である。
オリ・ムストネンをソリストに迎えた前半のグリーグ。ピアノがあまりにも個性的すぎてオーケストラと全く溶け合わない。ソロとオーケストラが錯綜するだけになってしまった。ピアノの中音域からフォルテピアノのような濁った音すら出ていて、あまりに異様であった。アンコールのヘンデルはツボを押さえていて演奏として良好であった。
後半のニールセン、白井コンマスが引っ張り、冒頭にある和音の連打を切り抜けた。そこからN響は良く鳴らして演奏したが、音に広がりがない。ブロムシュテットの統率力は大したもので、N響は大したミスもなく最後まで演奏し切った。しかしながら音に輝かしさが無ければ音楽的な愉悦があるわけでもない。そつなくこなしたが、それ以上でもそれ以下でもないのである。ブロムシュテットとN響ならもっとできるだろうという、期待があるからこその不満を感じてしまった。
ブロムシュテットの出入りだが、前半はムストネンに付き添われ、後半は白井と登場。ソロカーテンコールは2回あった。
今日は普通だと感じたが、明日には更に良くなると期待したい。