KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ネルソンス/ゲヴァントハウス(2日目)

手に汗握る、究極のブルックナーを聴いた。

ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管、2日目も欠かさず足を運んだ。

前半は《トリスタンとイゾルデ》より前奏曲と愛の死。端正にトリスタン和音を鳴らし、解決しない音楽が切迫してゆく。大音響で頂点を極めても、飽和しないのは流石。ネルソンスらしい、劇的な愉悦がある演奏になった。

後半、とにかくブルックナー交響曲第9番が素晴らしいの一言。ネルソンスはパウぜの処理で緊張感を高めるような間の取り方を行った。テンポも自由度が高く、昨日よりはネルソンスの意図が前に出ている印象。鮮やかに鳴り渡る1stオーボエ。立体的に音の塊を生み出す弦セクション。全てが最上級の美しさであった。こんな演奏を聴いていいのだろうか。前回もブルックナーを聴いたが、今回も身震いするような愉悦の時間であったことは間違いない。まさに衝撃であった。最初にこのオーケストラを聴いた時と変わらない、ザクセンの宝がそこにあった。

後2年はゲヴァントハウスが聴けないのが誠に悲しい。今回東京で2公演しかないのも寂しい。もっと聴きたかった。次回が楽しみになる、至福の時間であった。