KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ラトル/ロンドン交響楽団

久しぶりのサントリーホールにて、ラトル指揮ロンドン交響楽団を聴いた。会場は8割くらいの入りであった。

前半のシベリウス、ラトルの統率するロンドン響は豊穣な響きを繰り出す。風や草木が蠢くように音がしなやかに聞こえる。こんな自然の力に満ちたシベリウスの世界があるかと感心してしまった。

後半はブルックナー。コールス校訂版交響曲第7番が演奏された。コールス校訂版による他の版との相違点が新鮮に聞こえる。それとともにラトルの持ち味は遺憾無く発揮されている。艶やかな音色のブルックナーは、幅の広いデュナーミクによりメリハリがつけられ、力強い演奏になった。第3楽章トリオは突き抜けるような美しさを引き出した。ウィーン式に配置されたコントラバスが全体を引き締めている。

ロンドン響はやはりレベルが高いが、細部まで丁寧に統率されており、ラトルの手腕には驚くばかり。弦楽合奏の完成度が尋常ではない上に、木管の舌を巻く上手さには笑うしかない。

今夜は最高の演奏会となった。最後のフライング拍手を除いては。