KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ルイージ/N響

N響ルイージの緊密な連携による、素晴らしいレーガーであった。

ファビオ・ルイージN響を指揮した。久しぶりに聴きにサントリーへ。

前半のハイドンから濃密な音を奏でるN響ルイージとの共演を重ねていることにより、次第にルイージの要求がオケの隅々まで通ってきている。

そんな中でも客席の反応は薄かったが、オットのソロでリストが始まると、叩き起こされたように客席が色めき立った。ピアノが鮮やかに自在に鳴る。ルイージの指揮もピアノにピッタリつける。その場にいる全員が納得する会心の出来であった。アンコールは音が少ない作品ということで、アルヴォ・ペルトの曲を取り上げていた。残念なのは、客席の集中が続かないところか。

後半はマックス・レーガー。モーツァルトの主題による変奏が濃密に奏でられていく。最初から最後まで一本線で繋がる、劇的な展開を見せた。それでいて、細部までルイージのこだわりが感じられる、細密な演奏でもあった。N響がレーガーをここまで効果的に演奏できるとは知らなかった。演奏会に通うと良いこともあるものだ。

実に愉快な演奏会であった。一点気になったのは、こんな見事なレーガーであったのに、客席の反応が薄かったことである。拍手も雑だし、カーテンコール中に離席する人がいつものB定期よりはるかに多い。その意味で、残念な演奏会でもあった。