パーヴォヤルヴィはドイツカンマーフィルとブラームスの交響曲全曲演奏に取り組んだ。記録媒体でリリースされているものはCDと映像がある。そのどちらも高いレベルの演奏を繰り広げている。
ドイツカンマーフィルは小編成で生き生きとしたブラームスを演奏しているが、そこにヤルヴィのやや特徴的な音楽作りが加わる。ヤルヴィはそんなにトリッキーなことはしていないが、オーケストラの自発性がヤルヴィを上回る勢いである。
そんなコンビによるブラームスは覇気の良い演奏になっているが、決して弱音の美しさを消したりはしない。緩急自在のさわやかなブラームスである。
かつてみなとみらいホールでこのコンビの演奏する交響曲第1番を聴いたが、この映像のような素晴らしい演奏であったことを記憶している。
今年の来日公演は諸事情で聴けないが、また聴く機会を楽しみにしている。