KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

『観光コースでない 沖縄 第5版』

日本にとって「沖縄」とは何か。そのことが常に問われている。

新崎盛暉 諸見里道浩 謝花直美 松元剛 島袋良太 前泊博盛 亀山統一 仲宗根將二 大田静男 2023 『観光コースでない 沖縄 第5版』 東京:高文研

こちらの本を読了。日本の暗い歴史を見ることになる。そして自分の心に楔を打ち込まれるような気分であった。沖縄の歴史から、現代にいたる諸問題を、戦跡/基地/経済/自然/先島の切り口で紹介する。基本情報がまとめられており、「沖縄問題」について学ぶ足がかりとして最適であろう。最新情報を反映した第5版は全面改訂がなされており、最近の自衛隊基地拡張についても紙幅を割いている。半世紀で四度の改訂を行わなければならないほど、沖縄の現代はあまりに様々な問題が起きている。この本を貫く問いは、「日本」にとって「沖縄」とは何であろうかということになる。このことを考えなくてはならないのは沖縄の方々ではない。私を含めた、「本土人」である。

暗い話が多いが、経済の項目で、東南アジアの経済交流の中心地としての沖縄の可能性に触れている。この夢が実現することこそ、沖縄の明るい未来なのだろう。