本日はブロムシュテット/ベルリンフィルのコンサートの中継がDCHにてあった。ブロムシュテットはオーケストラ団員と同時に、付き添われながら入場した。それからチューニングを行って演奏開始。
ブロムシュテットは座って指揮しているが、眼光は鋭く、その音楽は引き締まっている。以前より身体はやつれた印象だが、伸びやかで美しいシューベルトは聴衆にいつもと変わらない愉悦を運んでくる。私はシューベルト交響曲第3番の提示部だけで満足してしまうほどの、ふくよかな音楽であった。ブロムシュテットはシューベルトの楽しさを教えてくれる。その美質は緩徐楽章でめざましく発揮される。
カーテンコール時も、ブロムシュテットは着席したまま楽団員を起立させる。コンサートマスターと共に退場するが、舞台まで歩くことはできるようだ。聴衆も分かっているため長々とは拍手しない。
後半はベートーヴェン交響曲第7番。数年前より多少遅いテンポだが、躍動感はいささかも減衰しない。第2楽章の切れ間ない集中力は見事という他ない。第4楽章になると快速テンポになるが、ディテールを疎かにしないのは流石である。拍手喝采会場総立ちで幕。