KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ヒンリヒセン『フランツ・シューベルトーーあるリアリストの音楽的肖像』

ハンス=ヨアヒム・ヒンリヒセン 2017  『フランツ・シューベルトーーあるリアリストの音楽的肖像』 堀朋平(訳) 東京:アルテスパブリッシング

こちらの本を読了。シューベルトに関して書かれた、一番ニュートラルな評伝かもしれない。歴史的に俯瞰しながら、必要に応じて細部に立ち入るスタイルにより、バランスの取れた記述になっている。

シューベルトソナタ形式の構造は、よく「弱点」のように言われるが、それがいかに誤りであるかについて改めて述べている。シューベルトの業績を正当に評価することは、この本以降において行われるのかもしれない。