久しぶりにジョナサン・ノットの指揮するコンサートに出向いた。
まずゲノフェーファ序曲だが、ヌルッと始めたことにより縦の線が不明瞭になった。これによりシューマンの入り組んだ音楽がよくわからなくなり、出だしとしてはあまり良いものではなかった。
ヴァイオリン協奏曲、ヴァイトハースの決然としたソロにより、鳴りにくい曲ながら明快に響いていた。第3楽章のテンポが少々速すぎるようには感じたが、舞台を支配するソリストの力にねじ伏せられた印象。
後半のベートーヴェン、第2楽章の美しい弦の響きとまろやかなクラリネットが素晴らしい。今日は木管が健闘していたが、ここまで状態が良いのは久しぶりの感がある。対向配置であったが、全体としてヴィオラと2ndヴァイオリンが弱い印象を受けた。しかし総体としては明るく爽やかに仕上げており、好感を持った。
毎回ノットらしい世界を見せてくれるが、次回もどんなものを聴かせてくれるか期待。