KeiYamamotoの雑記

考えたことや見て聴いたことを綴ります

ムローヴァ/ビートソン

ムローヴァによる古楽器とモダン楽器によるリサイタル。神奈川県立音楽堂のやさしい音響により、ムローヴァのヴァイオリンが際立って聞こえた。

前半はガット弦のヴァイオリンとフォルテピアノによるベートーヴェン。ビートソンのピアノがくぐもった不思議な響きを奏でる上で、ムローヴァのヴァイオリンが尖った、しかし小さな音で躍動した。

後半は武満、ペルト、シューベルト。モダン楽器に持ち替えて演奏されたが、武満が始まると、ベートーヴェンからかなり時空を超えた実感が湧いた。楽器が違うとここまで様式の違いが強調されるかと、プログラミングに感心してしまった。しかし不調和は感じないのが不思議なところ。シューベルトになると、ムローヴァもビートソンも大きな、しかしまろやかな響きで美しい演奏を披露した。

静かなアンコールにて幕。モダン楽器だけでは味わえないピリオド楽器の特性を実感する演奏会になった。